「木かご」と「小原かご」

荒井木籠製作所では、民具として伝えられた「小原かご」と呼ぶ商品には一定の基準を設け、小原かご以外の商品を「木かご」と分類しています。

【小原かごの基準】
材料 - 胴材にイタヤカエデ、モミジ、ミズナラ、縁材にヤマウルシやリョウブを使用しているもの
ハゼのつくりかた - 専用の包丁で両面を仕上げたもの
編み方 - 四つ目編みから螺旋状に編み上げていく方法
用途 - 日常生活で使われること

以上の4点を満たすものを「小原かご」、それ以外は「木かご」と区別しています。
たとえば、同じ「洗いかご」でもカシ材などで生産されたものは「木かご」ということになります。

【なぜ基準を設けているのか】
小原かごは、材料も制作方法もとてもシンプルです。
制作できるようになるまでに数年にわたる修練が必要ではありますが、器用な人であれば写真や実物を見て、作ることができるでしょう。
荒井木籠製作所でも生活に合わせた新しい素材や用途の製品を日々開発していきます。

しかしながら、荒井木籠製作所の一番の目的は「小原かごの技術を文化を次の世代につなぐこと」。
小原かご、という技術がこの地域に存在したという事実を、できるだけ正確に伝えたい。
そういった思いから、「小原かご」と呼ぶ製品には特別注意を払っています。

文化や技術は変化していくものです。
この後の数十年で、生活も変わっていくでしょう。
次の世代にこの技術をわたしたのち、また新しい変化が生まれていくことと思います。
それでも、できるだけゆっくりと、いつでも戻ることができる速度で少しずつ変化していくことで、原点に立ち帰ることができると考えています。